先日、NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)東京支部主催の継続教育研修会にて、講師として登壇する機会をいただきました。会場は東京都千代田区・大手町にある日経ホール。金融・経済の情報発信拠点ともいえるこの場所に、約400名ものCFP・AFP有資格者の皆さまが集まり、熱気あふれる研修会となりました。
本記事では、当日の講演内容や会場の様子、そして私自身が改めて感じた「専門家にこそ必要な伝え方」についてご報告します。FPの皆さまはもちろん、士業・コンサルタント・講師業の方にとってもお客様とのコミュニケーションのヒントしていただければと思います。

目次
日本FP協会東京支部研修会とは
日本FP協会は、FP資格の認定・継続教育を担う国内最大規模の専門家団体です。東京支部研修会は、最新の知識や実務力、そして倫理観を高めることを目的に、定期的に開催されています。
今回の研修会は、
- 会場:日経ホール 約600名のキャパシティ
- 参加者:日本FP協会東京支部所属 CFP・AFP有資格者
という非常に大規模なもの。対面ならではの臨場感と、専門家同士の学び合いの空気が強く感じられる場でした。
第1部:「ガッテン流!専門知識の『翻訳』術」
第1部では、武蔵大学 社会学部メディア社会学科 准教授 市川衛様がご登壇。
テーマは 「ガッテン流!専門知識の『翻訳』術 ~情報を正確に、やさしく、誤解なく届ける技術」。
医療や科学など高度な専門情報を、一般視聴者にわかりやすく伝えてきた市川先生ならではの実例が豊富で、「専門家が陥りがちな説明の落とし穴」「相手目線に立った情報整理」の重要性を改めて痛感する内容でした。

第2部:私の講演テーマ「信頼獲得!FPの提案力がアップする伝え方」
そして第2部では、私、阿隅が登壇いたしました。
講演タイトル「信頼獲得!FPの提案力がアップする伝え方」
講演概要
FPに欠かせないのは、商品知識や制度理解といった専門知識だけではありません。最終的に顧客の行動を後押しするのは、「この人の話を信頼したい」「この提案なら受け入れたい」と感じてもらえる話し方です。本講演では、
- 分かりやすい説明の工夫
- 論理的で納得感のある話の構成
- 信頼関係を築くための対話のポイント
を軸に、顧客の心を動かす伝え方についてお伝えしました。
単に情報を伝えるのではなく、また、提案やアドバイスを「押しつけ」ではなく「納得」として受け取ってもらうために、FPが信頼を獲得するためどんな姿勢で向き合い、理解してもらうためどの順番で話すか
現場ですぐに活かせる具体例を交えながら、提案力を高めるためのヒントを探り当てていただく内容です。

多くの専門家が感じている「わかっているのにできない」壁
対人関係能力が重要なのは理解している
でも、具体的に何をどう話せばいいのかわからない
自分なりに説明しているが、反応が薄い
これはFPの方に限らず、私がこれまで15年以上、企業研修やエグゼクティブトレーニングで耳にしてきた共通の悩みです。「もっとわかりやすく話したい」「信頼される話し方を身につけたい」そう思っていても、話し方は感覚的なものとして扱われがちで、体系的に学ぶ機会が少ないのが現実です。今回の講演では、FPの皆さまに特化して、以下のポイントを重点的にお伝えしました。
説明ではなく「対話」を設計する
一方的に話すのではなく、相手視点で伝えるということを重視する。そのために特に大切にしたいことは、この2つです。
- 相手の理解状況を確認する
- 反応を受け止め、なぜその反応を示したかを探る問をする
話の順番が整理されているだけで、 「この人は信頼できる」「任せても大丈夫そうだ」 という印象に大きく変わります。講演では、よくありがちな分かりにくい説明の事例を紹介し具体的な改善方法をご提示しました。また、信頼関係構築の時間帯には、「感情を受け止める」「承認を示す」コミュニケーション技法もご紹介しました。会場にお集まりの皆様には、ワークや問いかけにも積極的に反応していただきました。
今回、日本FP協会東京支部様という信頼ある団体の研修会でお話しできたことは、私にとっても貴重な機会でした。「専門性が高いからこそ、伝え方が問われる」これはFPだけでなく、すべての専門家に共通するテーマです。
今後も
- 専門家・士業向けの話し方研修
- 経営者・エグゼクティブ向けのプレゼン・スピーチ指導を通じて
信頼を生むコミュニケーションを体系的にサポートしてまいります。
ご登壇の機会をくださった日本FP協会東京支部の皆さま、そしてご参加くださったFPの皆さまに、心より御礼申し上げます。

