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阿隅和美オフィシャルブログ

2025年 06月 30日

ミーティングが変わる!アナウンサースキルに共通する“対話を支えるファシリテーション研修

「この会議、時間の無駄」と感じたことはありませんか?現代のビジネスの現場では、会議やミーティングの質が組織力に直結すると言っても過言ではありません。
特にIT企業のようにプロジェクト型業務やリモートワークが当たり前になった職場では、「限られた時間で、全員が参加し、有意義な結論を導き出す」ことの難しさが、ますます表面化しています。

今回は、先日あるIT企業で実施したファシリテーション研修の事例をご紹介しながら、
実は意外にも共通点の多い、アナウンサーのスキルとファシリテーターのスキルについても解説していきます。

こんな課題、抱えていませんか?

研修をご依頼いただいた企業様では、以下のような会議の課題が挙げられていました。

  • 発言するのは、いつも決まった人になりがち
  • 協調性はあるが、遠慮もある
  • 違う意見に対して自分の意見を上手く伝えられない
  • ミーティングが長いと感じることがある
  • テーマによっては、対話が深まりにくい

そこで、今回は「全員が意見を出し合える場づくり」と「対話を深め会議の質を高める」ファシリテーション1日研修を実施しました。

ファシリテーターとは? その役割を“誤解”していませんか?

「ファシリテーターって進行役のことですよね?」
「話をまとめる人でしょう?」

研修冒頭でこのような声が出ることは少なくありません。ですが、ファシリテーターの本質は「対話の支援者」です。
自分が話すのではなく、他者の言葉を引き出し、つなげ、促すことが求められます。

アナウンサーとファシリテーターの意外な共通点

実は、私自身がアナウンサーとして番組司会やインタビュー、トークセッションの進行に長年携わってきました。
その経験をファシリテーションの現場に応用して感じるのは、「人の話を引き出す」「場の空気を整える」「中立的に言葉を扱う」といったアナウンサーのスキルは、ファシリテーションにも直結しているということです。

以下に、両者の共通スキルを整理してみましょう。

1. 場の空気を読む力

共通点:空気を“言葉にしないまま”放置しない

  • アナウンサー:ゲストや視聴者の反応、場の緊張感を察知して対応。
  • ファシリテーター:参加者の発言の温度や沈黙の背景を読み取り、問いを調整。

2. 聞き手を意識した発信力

共通点:「伝えたいこと」より「伝わること」を大切にする

  • アナウンサー:聞き手の理解度を考慮し、分かりやすく伝える。
  • ファシリテーター:会議での発言を、他の人も理解できるように言い換える。

3. 質問力・引き出す力

共通点:「良い質問」が場を動かすと知っている

 ・アナウンサー:相手の話を深める問いで本音を引き出す。
 ・ファシリテーター:場に参加していない人の声を促す問いを使う。

4. 中立性と公平性

共通点:安心して話せるように理解者を心がけている

 ・アナウンサー:偏りのない進行と意見整理。
 ・ファシリテーター:自らの意見を主張せず、対話の交通整理をする。

5. 緊張をほぐし、場を和ませるスキル

共通点:非言語(声・表情・間)で安心する場づくり。

 ・アナウンサー:初対面でも短時間で安心感を生む。
 ・ファシリテーター:会議に入る前の導入やアイスブレイクで、空気を和らげる。

受講者の感想(一部抜粋)

  • 「対話の構造をつかみ共有するのが難しかった」
  • 「会議の準備が大事であるとわかった」
  • 「今までは“とにかく意見を出してまとめる”ことが目的だったけれど プロセスの質を大切にしたいと思った」
  • 「ファシリテーター任せではなく、全員で“会議を作る”意識が必要だと感じた」

ミーティングを「一部の人のもの」から「全員のもの」へ

この研修で印象的だったのは、「ファシリテーターが場をコントロールするのではなく、参加者それぞれが“場の担い手”になることの重要性」に、多くの受講者が気づいたことです。ファシリテーターが一人で頑張るのではなく、複数の役割を分担することで、場への「参加意識」が飛躍的に高まります。また、そのためには、なんとなく惰性でスタートするのではなく、毎回チェックアウトの時間を冒頭につくりそこで、目的、進め方、役割、ゴール設定を言語化し共有することが大切であることもお伝えしました。

アナウンサー的視点から見る、ミーティング改善のヒント

アナウンサーは、番組の空気や視聴者の視点を常に意識して進行しています。
同じように、ファシリテーターやミーティング参加者も、「今、この場はどんな状態か?」「誰が話しやすくて、誰が話しづらそうか?」という“メタ認知”が求められます。

そのために使える具体的なテクニックをいくつかご紹介します。

具体的なスキル例

  • オープンクエスチョンで会話を広げる
     例:「どう感じましたか?」「なぜそう思ったのですか?」
  • あいづち+要約で安心感をつくる
     例:「なるほど、〇〇ということですね」
  • 違う意見が出たときのつなぎ方
     例:「Aさんの意見に対して、Bさんは別の視点を出してくださいました。皆さんはどう思いますか?」
  • “間”を活かす
     すぐに埋めようとせず、考える時間を意図的につくる

組織に必要なのは、「自由に意見を言える場」と「理解しようとする文化」

最後にお伝えしたいのは、ファシリテーションは特別な役職の人だけが身につければよいスキルではないということです。

会議に参加するすべてのメンバーが、「話す・聴く・支える」役割を自覚し、意識を持つことで、会議は確実に変わります。そして、それは組織全体の対話力・信頼関係・創造性を育みます。

こうした、アナウンサーとして培った「人と人の会話をつなぐ力」、そして今、ファシリテーションの場で生きている「場づくりの力」を、研修を通じて提供させていただいています。

社内会議の雰囲気を変えたい

若手の声をもっと活かしたい

リーダー層に対話力を身につけさせたい

心理的安全性の高い組織をつくりたい

そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

貴社の課題や風土に合わせた、実践型ファシリテーション研修をご提案いたします。

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