文化庁が2015年度国語世論調査を発表しました。
今回はこの調査をヒントに、職場で、上司と部下が話が噛み合わない、
言葉遣いでイライラする、シニア世代のお客様と上手く会話が成立しないという
企業の抱える「コミュニケーション課題」解決に向けた取り組みについて
考えます。
例えば、「見れる」と「ら抜き」言葉を使う割合は48.4%で、
「見られる」を使う人の44.6%を上回りました。
10代は、8割近くが「見れる」を使っていたそうです。
私は40代。「ら抜き」言葉には違和感があります。
毎日使っている日本語を78%の人が「大切にしていると思う」と
答え、年齢が高いほどその傾向が高まります。
こうした言葉の使い方、捉え方を通じて、世代の「文化」の違いが見えてきます。
今回の調査で、「言葉の使い方は、何が影響を与えるか」の質問に、
「携帯電話」が大きく上昇ました。
「毎日の生活に必要な情報を何から得ているか」の問いについても、
全体としては、携帯電話(スマホ含む)が大きく増加し、紙媒体(新聞雑誌)は
減少傾向にあります。
しかし、世代別に見ると、携帯電話と答えた20代が83%、30代が80%に対して、
60代が15.6%,70代以上では、6.2%。
シニア世代は、生活に必要な情報取得手段がTVで、およそ90%、
新聞も80%を越えています。
パソコン(インターネット)、SNSの普及で、世代間で情報取得手段が大きく違ってきていて
それが「言葉」にも少なからず影響を与えているということでしょうか。
さて、社内で、若手と40代以上の社員がコミュニケーションが取りにくい、
営業担当者が富裕層シニア世代に上手くアプローチできない
など、企業が抱える人材育成の悩み、課題の原因の一端が、
この「世代間の文化の違い」だとしたら、
解決法も見えてきます。
それは、
・お互いの「言葉」の使い方を認識する
・相手に伝わる表現を使ってコミュニケーションをとるです。
言葉は生き物、時代と共にそのカタチを変えていきます。
昔の常識では考えられませんが、
「やばい」を若者は、褒めことばとして使うという現実。
「やばい」なんて大人は使わない!ではなく
「プライベートはOKだけど、あらたまった席や、客先では使わない。
なぜかと言うと、相手に誤解を与えるから」と丁寧に話して聞かせるというように、
違世代が、互いに少し歩み寄って「言葉」の擦り合わせを
しても良いかも知れませんね。
そして何より「かっこよく、美しい日本語」を先輩方が、率先して使い
活きたお手本を見せる企業風土、これが一番の教育。
企業価値向上へ「英語」の前に、職場の「日本語の使い方」再考してみては
いかがでしょうか。
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